こんにちは、urarie(うらりえ)です。
今日は、
「誰かの悩みを聞く時の大切な姿勢」について書きたいと思います。
▼ 目次 ▼
1.あなたは「受け止める」だけでいい。
日常生活の中で、
家族や友人・知人等から何かしら「悩み」を打ち明けられる事ってありますよね?
ただし、悩みといっても、些細な事から深刻なものまであります。
私自身の経験談なのですが、
突然前触れもなく、深刻な悩みを打ち明けてくれた友人に対して、
その場で何て言ってあげればいいのか分からず、良い答えも浮かばず、
「私はどうしてあげたらよかったんだろう・・・」
と、後になってとても悔やんだ記憶が、人生で何度かあります。
何か力になってあげたいけど、
自分が過去に経験した事でもないからアドバイスも出来ない・・・。
でも目の前で凄く悩み苦しんでいる・・・。
何度かそんな悔しい想いを経験して気付かされたのですが、
「相手は私のアドバイスが聞きたいんじゃない」
「話を聞いて欲しいだけなんだ」
という事です。
勿論、中には
「あなたのアドバイスが聞きたいの!」
という思いで、相談してきてくれる場合もあるとは思いますが、
特に深刻な悩みの場合は、
アドバイスが聞きたいのではなくて、
「ただただ誰かに話したいだけ」
という気持ちで話してくれる事が多いと感じます。
実際、
「話す」=「言葉にしてアウトプットする」ことで、
相談しながら自然と自分の頭の中が整理されていく効果が働き、
それだけで相談者としてはプラスの時間となる場合も多いです。
聞き役としてのあなたの一番重要な役割は、
そんな相手を「受け止める」、たったそれだけ。
- そうなんだ。
- それで?
- へぇー。
- 辛かったんだね。
「受け止める」ってこういう事。
実は結構難しい事だと思うんです。
悩みを聞いていると、ついついアドバイスしたくなったり、
「いいと思う!」と賛同したくなったり、
こちらの意見を言いたくなるものです。
相手が大事な人なら余計に聞き役も熱が入ったりしてしまいがちです。
でもね、まずは「受け止める」。
「受け止め役に徹する」。
この姿勢で話を聞く事が、一番相手の方がフラットに話しやすい状態を作るのだと思います。
もし、どうしても「ただただ受け止める」という事が難しいと感じる方がいらした、そんな方へ、2つの質問です。
- その悩みについて、一番時間をかけて考えている人、答えに近付いている人は誰ですか?
- 悩んでいる人は、何にも自分で考えられない程、思考能力が低い人ですか?
➡1の答えは、「悩んでいる人本人」ではないでしょうか?
誰よりも、その事について悩み、苦しみ、どうしたらいいのか考えているのは本人です。一番答えに近い人は本人なはずです。
➡そして2の答えは、おそらくほとんどの場合が「NO」ではないでしょうか?
悩んでいる人自身の事を信じてあげて下さい。
時には、信じて見守る事も、愛であり、優しさです。
2.悩みを解決するのはあなたじゃない。
こう書くと、冷たい印象を持たれてしまうかもしれませんが、
悩みの答えとは、誰しも「自分の中にしかない」ものです。
▼ ※『答えは自分の中にしかない』という話は、過去の記事でも熱く語っております。▼
話を聞いてあげる事で、相手の感情・思考の整理の手助けをする事や、
自分の体験談を話す事で、一事例を提供する事は出来ると思います。
だけど、
「本当はどうしたいのか?」
「自分に合った、自分が心の底から納得できる解決法は何か?」
それは悩んでいる張本人しか分からない事なのです。
だから、悩みを本当に解決できるのは、悩んでいる人自身、
そう、自分しかいないのです。
これは決して心細い事ではありません。
「一人で考えないといけない」
「自分で決めないといけない」
そういうプレッシャーを感じる事でもありません。
例えるなら、悩みの渦中にいる時はフルマラソンを走っている様な感じだと思います。
一人で挑む辛く苦しいレースの様に思いますが、そうじゃない。
- スタート前にタスキやハチマキにメッセージを書いてくれる人がいる。
- コースの傍で声を出してあなたを応援してくれる人がいる。
- 給水スポットであなたを待ってくれている人がいる。
- 一緒に並んで走ってくれる人がいる。
- ゴールテープの先で疲れたあなたを受け止めてくれる人がいる。
ランナーは決して一人じゃない。
悩みを聞く側の姿勢としては、
ランナーがゆっくりとでも自分の力で前を向いて歩を進める様、
安心感と勇気を与えてあげられる為に「受け止める」。
ただそれだけでいい。
スタートを切り、レースを走り、自分なりのゴールテープを切るのはあなたじゃない。
3.相談者を導く大事な2つの質問。
とにかく「受け止める」事が超重要、という話をしてきました。
ただし、受け止めるだけでは前に進まない場合は、
「引き出す」お手伝いをしてあげる事が大切です。
具体的には、次の2つの質問です。
核心に導く為の大事な質問です。
- 「そもそも何で?」
- 「つまりどうなりたい?」
順に詳しくみていきます。
「そもそも何で?」
私はよく「そもそも論」と勝手に名付けて呼んでいるのですが、
この質問は、問題の根本原因に辿り着く為の問いかけです。
何か問題が起こる時には、様々な原因や状況が絡みあっている場合が多いです。
「そもそも何でそうしたの?」
「そもそも何でそうなったの?」
“そもそも”という言葉は不思議なもので、
一気に視野が広がり、根本原因に辿り着きやすくなります。
「つまりどうなりたい?」
これはアドラーの目的論(※1)に近い話です。
先程の「そもそも何で?」という質問は、過去に遡る質問。
一方、こちらの「つまりどうなりたい?」という質問は、未来を想像させる質問です。
未来の理想のゴール地点を想像する事で、
理想と現実のギャップを自覚する。
理想と現実のギャップが自覚出来たら、
自ずと「じゃぁ何をしたらいいのか?」も見えてくるものです。
「そもそも何で?」
「つまりどうなりたい?」
このどちらの質問も、受け手側はただ本人に問いかけているだけで、
賛同も反対もしていないし、アドバイスをしている訳でもありません。
相談者本人の中にある答えを、相談者自身で掴みに行ける様に導く問い掛け。
大事です。
▼ ※1:アドラーの『目的論』については、過去記事で詳しく書いておりますのでよければ参考にどうぞ。▼
悩みを打ち明けて貰えるのって、私個人としてはとても嬉しい事だと感じます。
打ち明ける側としても、とっても勇気のいる事ですよね・・・。
だからこそ、
「勇気を出して話してよかった」
と思って貰える様に、何とか支えてあげたいものです。
私も、『自分らしく働く・生きる事について悩む人を少しでも応援したい』と思っているので、誰かのセンシティブな悩みの部分に触れる事もあります。
だからこそ、こういった心持ちは自分としても忘れずに常に持っておきたいです。
*urarie/うらりえ*