あなたがあなた自身とじっくり向き合える様にお手伝いしたいurarieです。
今日は、
「好き」を誰かと比べる必要はない。
「好き」に大きさの違いなんて無い。
という話をしたいと思います。
▼ 目次 ▼
1.「好き」を人と比較して落ち込んだ体験談
かくいう私も昔、「好き」を他人と比べて、「あ、私の好きって大した事ないんだ…」と酷く落ち込んでしまった人間です。。。
もしあの頃の自分の隣に戻れるのであれば、そんな事考えなくていい!!と全力で止めてあげたいです。
当時、私は建築デザインの学部に通っていた大学3回生でした。
高校生の時に進路に迷ったのですが、建築デザインやインテリア、舞台美術など、空間デザイン全般に興味があったので、この学部を選択しました。
(※進路選択の時の体験談もまた別の記事で詳しく書くつもりです。)
建築に携わるとあるイベントに参加した事が、この悲しい出来事の始まりです。
全国の建築を学ぶ学生を集めて、ヨーロッパの有名建築を実際に見て学ぶという研修が夏休みに毎年開催されていたのです。
研修は約2週間の期間で実施され、早稲田大学の教授が引率を務めてくださりました。
スペイン、イタリア、スイス、フランスと4カ国を周りながら、各地の有名建築を教授の解説を聞きながら、目で見て、肌で感じて、学ぶものです。
私が参加した年には13名の学生が集まりました。
その内の1人、早稲田大学の男子学生がいたのですが、ある日私は彼の一言で凄く落ち込んでしまったんです…。
それはフランスのリヨン サン・テグジュペリ空港駅を見ていた時。
(※実際に当時私が撮影した写真です。)
写真の様に、鳥が翼を広げた様な外観で、見事なまでに構造美を体現している建物なのです。
これを見た当時の私は、
「お〜!凄い!」
「モダンで格好いいけど・・・私が好きなテイストではないかな」
「でもよくこんな先進的なデザイン思い付くな〜!凄い発想力!」
・・・ほんと、当時はこれぐらいの印象しか持たなかったんです(笑)
私が好きなのは、どちらかというと有機的なデザイン(曲線、親しみやすさ、自然との調和・・・といったイメージ)でしたので、好みが少し違ったのです。
ある程度、色んな角度から写真を撮り終えた私は、ブラブラと軽い気持ちで建物の周りや中を歩いては「あ、美味しそうなパン売ってる♪」などと、もはや建築とは関係ない物へ気が散り出していました。
そんな中、早稲田大学の男子学生は、1人熱心に写真を撮りながらノートを手に、
「これ…どういう構造計算してるんだろう…」
「こんな大空間を実現出来るなんて凄い…」
と、一人建物を集中して見上げていました。
私は、その男子学生の建物に熱中する姿を見て、
早々に建物見学を切り上げて、他の事へ興味が移ってしまっていた自分が、
物凄く恥ずかしくなってしまったんです。
こんなにも建築が大好きで、知識も見識も高い人と同じ様に、「私は建築が好きだ」と言っていいのだろうか…?
私の「好き」なんて、全然大した事ない…。
私、そんなに建築が好きじゃないのかも…。
そんな風に思い始めてしまったのです。
その後も、研修の中で時々、彼の建築を愛でる視線や、建築家について熱く語るキラキラとした姿を見る度に、どんどん私は肩身が狭くなっていく気がしました。
研修自体は学びも多く、刺激的で、とても楽しい日々でした。
ですが、私は彼と「好き」を比較してしまい、自分の「建築(空間デザイン)への想い」に疑問を持ってしまいました。
その後始まった就職活動では、建築関係やデザイン関係の会社にエントリーする勇気が持てず、結局 「何が好きなのか」「何がやりたいのか」分からないまま、人材採用の企業へモヤモヤしたまま入社したのです。
『同じ様に悩む人達の力になりたい』という気持ちで。
2.「好き」と「特性」と「得意」は似ている様で全く違う。
私はこのヨーロッパ研修での出来事があってから、度々自分の「好き」を他人とくらべる様になってしまいました。
音楽も好きですが、勉強をする時まで音楽を聞いている友人の話を聞いては、「私は、それは集中出来ない…。そこまで好きって感じではないな」とか。
ファッションも好きですが、好きな服を買う為にほとんどの休日をつかって、夜遅くまでバイトをしている友人を見ても「そこまでして絶対手に入れたい服がある訳では無いな…」とか。
同じ分野の物を好きな人と出会っては、
その人と自分の好きの大きさを比べては自信を無くしていました。
今思うと、物凄く勿体無いことをしているなぁと思います・・・。
そもそも「好き」と「特性」と「得意」をごちゃ混ぜにして捉えてしまっていたんですね。
例えば、先程のヨーロッパ研修での話で言うと、
<男子学生の場合>
「好き」=建築
「特性」=物事の仕組みが気になるタイプ
「得意」=構造計算、各建築資材の特性の把握
<私の場合>
「好き」=建築
「特性」=物事の背景が気になるタイプ
「得意」=建築史、デザインに込められた建築家の意図の理解
彼と「好きなもの」は同じでも、2人の「特性(性格や価値観)」は違う為、当然「得意な事」も違ってくるのです。
特性や得意な事が違うと、同じ好きな物でも、それぞれ見方や捉え方が変わるのは当然の事ですし、探求心や努力する方向も勿論違ってきます。
(※実は私はこの時、事前に配られていた『建築ガイドブック』を、サン=テグジュペリ空港駅に向かうバスの中で読み込んでおり、建築デザインの背景を既に知っていたのです。)
私は、彼の「好きの大きさ」に圧倒されていたのではなく、
「得意」=彼の一部分の「能力の高さ」に圧倒されてしまっていたのです。
『彼は私とは違う個性がある(特性の違い)。』
『だから得意な事、能力も私とは違う部分が育っている。』
そう受け止めるだけでよかったのに。
3.「好き」と思ったら「好き」でいい。理由なんて要らない。
何かを好きになるきっかけや理由は人それぞれ違います。
「どれぐらい好きか?」や「いつから好きか?」等を誰かと比較する必要なんて一切ありません。
「どちらかというと好き」も立派な「好き」。
「何となく好き」も立派な「好き」。
「すっっっごく好き!」も立派な「好き」。
それでいい!
もし、自分の「好き」に疑問を持ってしまった時は、誰かと比べるのではなくて、自分へと問いかけてみて下さい。
・それについて考えた時に少しでもワクワクするか?
・やってみたい、食べてみたい、見てみたい等、前向きな気持ちになれるかどうか?
・これのどんなところが特に好きなんだろう?
そうやって自分に対して問いかける事は、私のブログのテーマである「自分を深く知る」というところに繋がってくると思います。
その問いに自分の言葉で答える事が出来る様になった時に、
「自分自身」や「好きなこと」をより大切に出来る様になると思います。
「何だかいいな」という感覚は、人生を心地よく自分らしく生きていく上でとても大事な感覚です。
私の様につまらない劣等感などを抱かず、大切にその「好き」を、あなたのペースで大事に醸成していって下さいね。
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こんなに沢山の人間が世界中にいて、
一人一人にそれぞれ「好きなこと」や「興味のあること」が違うなんて不思議ですよね。その違いが面白いし、素晴らしい事だと思います。
ちなみに私も好きな事、色々あります。
(以前は、「これを趣味と言っていいのかな・・・?」とか余計な事を考えていたのですが、そういうのはやめました!)
そんな話もまた今後の記事に書いていきたいと思います。
「好き」の話をするのって、話しているだけで楽しい気持ちになれますよね。
とてもポジティブな感情です。
それでは今日はこの辺りで終わります。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
*おしまい*